「Qwen(チェンウェン)って聞いたことないけど、何がすごいの?」「DeepSeekとどう違うの?」「アリババが作ったAIって使えるの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事では中国のテック大手Alibaba Cloud(アリババクラウド)が開発したAI「Qwen(通義千問)」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。料金プラン、主な機能、メリット・デメリット、ChatGPTやDeepSeekとの違いまで、2026年3月時点の最新情報をお届けします。
Qwen(通義千問)とは
Qwen(チェンウェン、正式名称:通義千問 / Tongyi Qianwen)は、Alibaba Cloud(アリババクラウド)が開発した大規模言語モデル(LLM)ファミリーです。
最大の特徴は、「オープンソースAIモデルの中で最高クラスの性能」と「マルチモーダル対応の豊富さ」です。テキスト、画像、動画、音声を統合的に処理でき、201言語に対応。日本語対応もオープンソースモデルの中ではトップレベルです。
2026年3月現在、最新モデルはQwen3.5(2026年2月リリース)で、262Kトークンのコンテキストを持つネイティブマルチモーダルモデルです。100以上のオープンウェイトモデルが公開されており、個人から企業まで幅広く活用されています。
何ができるのか
Qwenはテキストだけでなく、画像・動画・音声まで扱える総合的なAIプラットフォームです。
- 文章作成・要約・翻訳 — 201言語に対応。高精度な多言語翻訳も可能
- 高度な推論 — ハイブリッド推論(思考モード / 非思考モード)で複雑な問題を解決
- プログラミング支援 — Qwen-Coderでコード生成・デバッグ・最適化
- 画像生成・編集 — Qwen-Imageで高品質画像を生成。多言語テキストレンダリングにも対応
- 動画生成 — テキストや画像からの動画作成
- 音声生成(TTS) — Qwen3-TTSで日本語含む10言語の自然な音声を生成
- 統合マルチモーダル — Qwen-Omniでテキスト・画像・音声・動画をシームレスに処理
- Web検索 — リアルタイムの最新情報を取得
- 数学・科学計算 — Qwen2-Mathなど数学特化モデルも提供
- OCR — 画像からの文字認識
主な機能(2026年3月時点)
- Qwen3.5 — 最新モデル。262Kコンテキスト、201言語対応、ネイティブマルチモーダル
- Qwen3.5-397B-A17B — 旗艦MoEモデル。推論・コーディング・エージェント機能で最高性能
- Qwen3-Max-Thinking — 推論特化の旗艦モデル。複雑な認知タスク向け
- ハイブリッド推論 — 「思考モード」(深い推論)と「非思考モード」(高速応答)を切替
- Qwen-Omni — テキスト・画像・音声・動画を統合処理するエンドツーエンドモデル
- Qwen-Image 2.0 — プロ品質の画像生成。ネイティブ2K解像度、多言語テキスト描画対応
- Qwen3-TTS — 10言語対応の音声生成。ボイスクローン機能搭載
- Qwen-Coder — コーディングエージェント向けモデル。ローカル開発にも対応
- バトルモード — 複数AIモデルを競わせて最良の回答を選択
- オープンウェイト(Apache 2.0) — 商用利用・改変・ローカル実行が自由
- 小型モデル — 0.8B〜9Bの軽量モデルでモバイル・PC実行に対応
料金プラン
Qwenはオープンソースモデルが無料で利用でき、API利用は従量課金です。
※料金は2026年3月時点のものです。最新情報は公式サイトでご確認ください。
個人利用
| 利用方法 | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| Qwen Chat(Web版) | 無料 | 最新モデルでの対話、画像生成、Web検索、バトルモード |
| ローカル実行 | 無料 | Ollama等で0.8B〜397Bモデルを自分のPC/サーバーで実行 |
API利用(Alibaba Cloud Model Studio)
| モデル | 入力(100万トークン) | 出力(100万トークン) |
|---|---|---|
| Qwen3.5 Plus | $0.26 | $1.56 |
| Qwen3-Max | $1.20〜$3.00 | $6.00〜$15.00 |
| 小型モデル | 非常に安価 | 非常に安価 |
※バッチ処理は50%割引、初回は100万トークン無料(一部リージョン)
無料でできること
Qwenは無料で使える範囲が非常に広いです。
- Qwen Chatで最新モデルと無料で対話
- 画像生成・動画生成
- Web検索連携
- バトルモード(複数モデル比較)
- ハイブリッド推論(思考モード / 非思考モード)
- オープンウェイトモデルを自分のPCにダウンロードして実行
- Apache 2.0ライセンスで商用利用も自由
DeepSeekとの違い
同じ中国発のオープンソースAIとして比較されることが多いDeepSeekとの違いを整理します。
| 比較項目 | Qwen | DeepSeek |
|---|---|---|
| 開発元 | Alibaba Cloud | DeepSeek社 |
| ライセンス | Apache 2.0 | MIT |
| 最大の強み | マルチモーダル・多言語 | 推論・低コストAPI |
| 画像生成 | ◎ Qwen-Image 2.0 | ✕ 未対応 |
| 動画生成 | ◎ あり | ✕ 未対応 |
| 音声生成 | ◎ Qwen3-TTS | ✕ 未対応 |
| 対応言語 | ◎ 201言語 | ○ 多言語 |
| 日本語品質 | ◎ トップクラス | ○ 90-95%精度 |
| モデル種類 | ◎ 100以上公開 | ○ 複数公開 |
| API料金 | ○ 安い | ◎ 圧倒的に安い |
マルチモーダル(画像・動画・音声)が必要ならQwen、推論特化と超低コストAPIならDeepSeekという使い分けがおすすめです。
商用利用できるか
はい、Qwenの小〜中型モデルはApache 2.0ライセンスで商用利用が可能です。
ダウンロードして自社サーバーで運用することも、API経由で利用することもできます。大型モデルの一部はライセンスが異なる場合があるため、利用前に確認をおすすめします。
日本語対応しているか
はい、Qwenは日本語対応に非常に優れています。
Alibaba Cloud自身が「オープンソースモデルの中で日本語対応はトップクラス」と評価しています。Qwen3は119言語、最新のQwen3.5は201言語に対応し、日本語での自然な対話がスムーズに行えます。
特に、同じオープンソースモデル同士で比較すると、Qwen3-8BやQwen3-14Bは日本語チャットにおいてLlama 3.3よりも優れた性能を発揮するとの評価があります。
メリット
- 🌐 201言語対応で多言語性能が最高クラス — グローバルな利用に最適
- 🎨 マルチモーダルが最も充実 — 画像・動画・音声・テキストを統合的に処理
- 🔓 Apache 2.0オープンソース — 商用利用・改変・ローカル実行が自由
- 🆓 Qwen Chatが無料 — 最新モデルをブラウザから無料で試せる
- 📦 100以上のモデルバリエーション — 用途に応じた最適なモデルを選択可能
- 🗾 日本語対応がオープンソースAI中トップ — 自然な日本語対話が可能
- 🧠 ハイブリッド推論 — 思考モードと高速モードを自動切替
- 📱 0.8Bからの超小型モデル — スマホやラズパイでも動作可能
- 🔊 音声生成(TTS) — 日本語含む10言語の自然な音声出力
デメリット
- 🇨🇳 中国企業のサービスへの懸念 — データプライバシーやセキュリティに懸念の声がある
- 📝 知名度が低い — ChatGPTやDeepSeekに比べると認知度が低く、情報が少ない
- 💻 Web UIは英語ベース — Qwen Chatのインターフェースは英語が中心
- 📋 大型モデルのライセンスが変更の可能性 — 2026年3月にプロプライエタリ化の動きとの報道も
- 🔗 SNSやOfficeとの連携がない — Meta AI、Copilotのような既存サービス統合はなし
- 📖 日本語のドキュメント・チュートリアルが少ない — 英語・中国語の資料が中心
どんな人におすすめか
- オープンソースAIを自社環境で運用したいエンジニア・企業
- 画像・動画・音声生成も含めたマルチモーダルAIを使いたいクリエイター
- 多言語対応が必要なグローバルビジネスの担当者
- 日本語対応に優れたオープンソースモデルを探している開発者
- ローカルで軽量AIを動かしたい技術者(0.8Bモデル〜)
- 無料で高性能なAIをまず試してみたい人
おすすめしにくい人
- 非技術者で手軽にAIを使いたい人(→ ChatGPTやGeminiの方が親しみやすい)
- データプライバシーを最重視する人(→ Claudeやローカル版を推奨)
- SNS・業務ツール連携を重視する人(→ Meta AI、Copilot、Geminiが適切)
- 日本語の丁寧な文章生成が最優先の人(→ ChatGPTやClaudeが適切)
他のAIツールとの比較
| 比較項目 | Qwen | ChatGPT | DeepSeek | Gemini |
|---|---|---|---|---|
| 開発元 | Alibaba Cloud | OpenAI | DeepSeek | |
| 最大の強み | マルチモーダル・多言語 | 多機能・エコシステム | 低コスト・推論力 | Google連携 |
| オープンソース | ◎ Apache 2.0 | ✕ 非公開 | ◎ MIT | △ 一部公開 |
| 対応言語数 | ◎ 201言語 | ○ 多言語 | ○ 多言語 | ○ 多言語 |
| 画像生成 | ◎ 高品質 | ◎ あり | ✕ 未対応 | ◎ あり |
| 音声生成 | ◎ TTS | ○ あり | ✕ 未対応 | ○ あり |
| ローカル実行 | ◎ 0.8B〜 | ✕ 不可 | ◎ 1.5B〜 | △ 一部可 |
| 無料プラン | ◎ Chat無料 | ○ あり | ◎ 無料 | ◎ 充実 |
Qwenの最大の強みは「オープンソースでの圧倒的なマルチモーダル対応」と「201言語の多言語サポート」です。オープンソースAIの総合力では現在最強クラスと言えます。
よくある質問
Q. Qwenは無料で使えますか?
はい、Qwen Chat(chat.qwen.ai)は無料で利用できます。オープンウェイトモデルのダウンロード・ローカル実行も無料です。API利用の場合は従量課金となります。
Q. Qwenは日本語で使えますか?
はい、日本語に優れた対応力を持っています。オープンソースモデルの中では日本語対応がトップクラスと評価されており、自然な日本語での対話が可能です。
Q. 自分のPCで動かせますか?
はい、0.8Bから397Bまでのモデルがオープンウェイトで公開されています。Ollamaやllama.cppなどのツールを使えば、小型モデルは一般的なPCでも実行可能です。
Q. DeepSeekとどちらを使うべきですか?
画像・動画・音声も含めたマルチモーダル活用ならQwen、推論特化と超低コストAPIならDeepSeekがおすすめです。どちらもオープンソースなので、両方試してみるのがベストです。
Q. ChatGPTの代わりになりますか?
多くのタスクで代替可能ですが、ChatGPTの方がエコシステム(GPTs、プラグイン等)やUI/UXの洗練さで上回ります。一方、Qwenはオープンソースで自由度が高く、ローカル実行や商用利用に強みがあります。
まとめ
Qwen(通義千問)は、「オープンソースで最も総合力が高いAI」「マルチモーダル活用がしたい」「多言語対応が必要」という方に最適なAIモデルファミリーです。
- Apache 2.0ライセンスで商用利用・ローカル実行が自由
- テキスト・画像・動画・音声を統合したマルチモーダルAI
- 201言語対応で日本語性能もトップクラス
- 0.8Bの超小型モデルからスマホでも動作可能
- Qwen Chatは無料で最新モデルを体験可能
まずはchat.qwen.aiにアクセスして、無料で試してみてください。オープンソースAIの進化を体感できるはずです。
※本記事の情報は2026年3月時点のものです。料金やサービス内容は変更される場合がありますので、最新情報はQwen公式サイトでご確認ください。
🔧 オープンソースAIの活用法をもっと知りたい方へ
Qwen・DeepSeek・LlamaなどのオープンソースAIの使い分けや、ChatGPT・Claude・Geminiとの比較を、noteで体系的にまとめていきます。「自分に合ったAIはどれ?」が分かる実践ガイドです。
